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しょうがい学生支援室って?

あいさつ

学長からのメッセージ

宮城教育大学学長 村松 隆

 宮城教育大学が昭和40年に設置されたとき、小学校教員養成課程、中学校教員養成課程、盲学校教員養成課程の3つの課程がありました。それから10年ほどが過ぎたころ、盲学校教員養成課程に全盲の男子学生Aさんが入学するという大きなことがあり、マスコミでも話題となりました。
 Aさんは授業に大きな点字の機械を持ち込み、講義内容をパタパタと一字一句手で打ち込んでいきます。そしてAさんには入学直後から周囲の多くの学生が入れ替わり立ち替わりそばに付き、一緒に学内を移動し、一緒に食堂に行き、一緒に授業に出て、Aさんがひとりになるということはありませんでした。授業中、点字を打つことが間に合わなかったり、図表などが示されて理解が難しい場合、そばにいる学生が様々な工夫をして内容をしっかりAさんに伝えました。「Aさん」「Aさん」とみんなはいつもAさんを気にかけ、配慮をします。それは誰に言われたわけでなく、「Aさんを支えなきゃ」という学生の純粋な善意により広がったもので、Aさんが在学中ずっと続きました。私はこれがしょうがい学生支援室の原型ではないかと感慨深く思い起こします。みんなでAさんを支える光景は実に温かなものです。
 長い年月が過ぎ、今しょうがい学生支援室としてしっかり制度化され、参加しやすくなりましたので、学生諸君には是非ボランティアとして活動してほしいと強く思っています。それによりしょうがいを持つ学生が安心してキャンパスライフを送ることができます。しょうがいを持つ児童・生徒の気持ちが本当にわかるのは同じしょうがいを持つ学生でありますから、その学生が無事修学し、免許を得、教師になった時、しょうがいを持つ児童・生徒の大きな支えとなることが期待されます。一方支援者側は、特別支援に関わる日常的な実践により、経験しなければわからなかったことがたくさん実感されますので、それを大事にし、自らのスキルアップにつなげてほしいと思っています。
 本学はすべてのしょうがい領域の専門家が揃う全国でも珍しい教育大学です。近年の先端的研究によりしょうがい実態の解明が進み、特別支援教育についてのハイレベルなニーズは一段と高まりました。特別支援学校・クラスに限らず、どの現場でも特別支援教育の素養を持った教師が求められる時代となりました。しょうがい学生支援室を学内外多くの皆様にご理解いただき、併せてひとりでも多くの学生が支援活動に参加することを願ってやみません。

しょうがい学生支援室長からのメッセージ

宮城教育大学連携担当理事・副学長
しょうがい学生支援室長 岡 正明

 本学のしょうがいのある学生に対する支援は、他大学に先駆け、学生主体のボランティア活動から出発しました。そうした学生主体の活動を大学が受け継ぎ、学生と教職員が一体となって支援を行っているのが本学の一番の特色だということができます。
 『しょうがい学生支援室』には、各しょうがいに対応できるよう、本学の特別支援教育5領域に対応するスタッフが、それぞれのしょうがい部会の部会長となり、そのもとに学生運営スタッフおよびボランティア学生がチームを組んで日常的な支援を行っています。
 本学の最も特徴的なことは、学生ボランティアが実習派遣や映像への字幕付けなどの作業以外はほとんど無償のボランティアであるということです。つまり、これからのインクルーシブ社会の実現には、将来教員を目指す学生には『特別支援教育マインド』が必要であり、そうした教員を輩出する使命でもある本学の理念に学生が主体的・積極的に関わっているという証ともいえます。
 また、本学の支援室には、しょうがいのある学生に対する支援に関して専門的な知識・技術を兼ね備えた優秀なコーディネーターが常駐し、学生からの相談、ボランティアの研修、派遣の調整、講義保障のための技術的支援など様々な業務に当たっているということが最大の強みといっても過言ではありません。
 こうした本学のしょうがい学生支援の実績が、平成24年度の大学基準協会における認証評価結果でも高い評価を得ています。また、「宮城教育大学に行けばきちんと支援をしてもらえる」ということを聞きつけて、全国から本学を志望してくるしょうがいのある学生もいます。
 本学の支援室は、そうした評価に甘んじることなく、この分野でのパイオニアとして邁進して行く所存ですので、みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします。